インターネット上で実際にお金をかけてゲームができるオンラインカジノサイトが増えている。各サイトは海外に拠点を置いているが、日本語のソフトを用意したり、日本語の電話問い合わせに対応したりするなど、日本人向けサービスに力を入れているところが多い。賭博が禁じられている日本では海外サイトで賭けをすることも違法だが、ネット上の規制は難しい。国内にも愛好者が広がっており、なし崩し解禁状態だ。
オンラインカジノは90年代半ばに始まり、現在は2000サイト以上あると言われる。日本語サイトもここ1〜2年増え、数十に上るようだ。なかには、日本語の電話による問い合わせを24時間受け付けているところもある。
海外のカジノサイト事情に詳しい大阪商業大アミューズメント産業研究所などによると、主なサイトは英国領のマン島やジブラルタル、カナダ領カーナウェイク、カリブ海の島国アンティグア・バーブーダなどオンラインカジノの合法国で免許をとり、営業している。
愛好者らの話では、オンラインカジノではまずクレジットカードなどでチップを購入し、それを賭ける。基本的にドル建てで、負けてチップがなくなれば終わり。クレジットカードを使っても、チップ購入以上の損失は発生しない。勝ち金の受け取りは小切手の郵送などで行われる。
ただクレジットカードについては、最近、番号を入力しても使えないケースが増えている。カジノサイトでの利用を拒否するカード会社が相次いでいるためだ。すでに使用できなくしている大手クレジットカード会社の担当者は、「なぜ使えないのかという苦情が毎日、数件はくる」と打ち明ける。
米国では本物のカジノは合法の州が多いが、オンラインカジノは開設も参加も禁じられている。しかし、多くのサイトが米国外に拠点を置いて営業し、「ごく普通の人が抵抗なく遊んでいる」という。2003年のオンラインカジノの利益は計約50億ドル(5000億円強=スポーツなどへの賭けも含む)に上ったとの米証券会社の推計もある。
・違法だが規制困難
第一生命経済研究所の門倉貴史主任エコノミストが賭博の検挙者数などをもとに推計したところ、国内の違法な本物のカジノで動く金の規模は90年代以降、減少が続いている。門倉氏は、「減少分の一部はオンラインに流れたと考えられる」と説明する。
賭博は刑法で禁じられているが、これは国内の話で、日本人が海外のカジノで遊んでも罪にならない。オンラインカジノの場合、胴元は海外だが、警察庁は「国内から参加するのは違法」としている。合法国のサイトであっても日本で賭ければ違法なわけだ。
ただ、これまでに事件として摘発された例はない。胴元が海外で、現地では合法的な営業を行っているうえに、ネット上の行為のため、「立証は相当、難しい」(捜査当局関係者)のが実情のようだ。
オンラインカジノについては、(1)本人確認が難しく子どもでも簡単に参加できる(2)手軽なため依存症患者が広がりかねない、などの点から、本物のカジノよりさらに問題が根深いとの指摘が強い。本物のカジノについては、自民党の議員連盟が解禁に向けた基本構想をまとめ議員立法を模索しているが、この基本構想でも、オンラインでの営業は禁じる方針を示している。
一方、ネット上の規制は極めて難しいことなどから、「今の刑法は実情にあっていない。賭博罪は廃止して、暴力団関連の賭博だけを罰する規制に改めるべきだ」との声もある。ネット社会の現実を踏まえ、規制のあり方を見直す時期なのかもしれない。
・参考情報
オンラインギャンブルの営業姿勢を示す指標として「控除率」がある。掛け金総額から顧客への払戻金を差し引いた残り、つまり胴元の取り分の割合だ。米国などの本物のカジノでは5%以下と言われ、多くのカジノサイトはそれ以下の率を掲げて宣伝している。ちなみに日本の競馬など公営ギャンブルは25%、サッカーくじは50%程度。
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